もう1週間以上経ってしまったので、忘れかけていることもありますが直後に残していたメモを見ながら出産レポを書き起こしてみます。
38w4dの健診で胎児の推定体重が3,700gを超えており、大きめなので早めに誘発しましょうということで39w2dでの入院が決まりました。
BPDと骨盤サイズの不均衡により下からのお産が難しくなってしまう可能性を考慮した判断です。児童骨盤不均衡(CPD)と言うそう。
場合によっては帝王切開も視野に入れるというお話でした。
実は39w1dに中学からの友人の結婚式を予定していました。
予定日間近にどうしよう...と悩みましたが友人も当日になって欠席でもいいから無理せずと言ってくれていたのと会場が家&病院からタクシーで15分ほどの場所だったので当日の様子を見て決行しました。
結果その日には何も起こらず、大切な友人のお祝いもできてよかったです。
39w2d、いよいよ入院です。
この日の朝には「早ければ今日、遅くても明日には会えるかな〜」なんて思っていました。
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39w2d(誘発1日目)
午後イチで入院。周産期センターの陣痛室に案内してもらい、測定・血液検査。
夕方内診して子宮口が1cmしか開いていないためバルーンを入れる。
過去に手術した際、ラミナリアがかなり痛かった記憶がありバルーンも怖かったけど、実際はまあまあ痛いけど内診で子宮口確認するのと同じぐらい。
この日はお腹が痛くなることもなく、抗生剤の点滴を打ってNSTをつけながら夜まで過ごして就寝。
夜中に向かいの分娩室から叫び声がずっと聞こえていて、4時頃に「おめでとうございます〜」の声に続いて赤ちゃんの鳴き声が聞こえなんだか感極まる。
39w3d(誘発2日目)
朝イチで内診。子宮口は2cmで期待ほど開いておらず、バルーンを抜いて下から促進剤を入れる。
一日中NSTをつけていてあまり自由に身動きが取れず退屈だしお尻や腰が痛くて早々に入院生活に飽きる。
夕方の内診では2cmのままで大きく進捗なし。
その間にまた2人赤ちゃんが生まれたみたい。
39w4d(誘発3日目)
朝イチ内診で2cmから変わりなし。子宮口が後屈しているのもあり内診がかなり痛い...
赤ちゃんの頭も全然降りてきていないので点滴での促進剤投与を開始。
促進剤は30分ごとに量を増やしていくが、結局最大量を投与しても陣痛が起こらず。
NSTの値が落ち着いていたので、点滴をしたまま1時間ほど散歩させてもらう。
散歩と言っても30mほどの廊下をひたすら往復するのみ。助産師さんがずっとついて色々お話してくれてありがたかった。
夜の内診で4cmまで開いていることを確認するも、無理に進めないで一旦終了することに。
先生から「帝王切開にするかはお産が進んで頭が降りるか見てからでないと判断できないけど、CPDの可能性もあるのでその場合痛みもかなり強くなると思う。無痛にする?」と聞かれる。
正直ここで無痛の選択ができるなんて想定しておらず、一度は普通分娩を経験してみたいと思っていたので「なるべく普通で産みたいです」と回答。
が、痛みが強いと言われるとビビってしまい、やっぱり無痛にすべきか、いやもう切って早く出してほしい...とあとからモヤモヤ。
この日も夜中に1人赤ちゃんが生まれたみたい。
39w5d(誘発4日目)
朝イチ内診で4cmから変わりなし。促進剤点滴を開始。
最大量に増やしたところでなんとなく定期的な痛みが着いてきたので人口破水しましょうとなり、お昼前に分娩室に移動。
破膜の処置はあまり感覚なく、じわーっと温かい水が流れるのを感じながら広い無機質な部屋で分娩台に座ってごはんを食べる。
14:00ごろ
食後じわじわと痛みが強くなる。
が、まだ頭が降りてこず「本陣痛ではないですね」と助産師さん。
こんなに痛いのに??と思いながら痛みに耐えているうち気持ち悪くなり嘔吐。
なんというか、西遊記の孫悟空が頭につけている輪っかを腰につけられて、骨ごとぎゅーっとしめつけられているような痛み。
17:30ごろ
ちょうど夫が面会に来たのでそのまま立ち会ってもらうも、痛いだけでお産の兆候が現れずまたまた促進剤を中止することに。
こんなにがんばったのにまた振り出しなのか...と悲しくなりつつ点滴を抜いたあと気絶するように寝てしまう。(夫もいつの間にかいなくなってた)
20:30ごろ
陣痛室に戻る。疲労とまだじんわり続く痛みで晩ごはんはスキップし就寝。
痛みの波の間で半分起きて半分寝ているような朦朧とした状態。
22:00ごろ
抗生剤点滴の交換に来た助産師さんが、わたしが痛みに耐えているのを見て
「ひょっとして陣痛きてるかもしれないですね、NSTしましょう」
と声をかけてくれてモニター開始。
痛みの強さや間隔的にもしかして...ということで先生を呼んで内診したところ
子宮口が7cmまで開いており、頭も降りてきて子宮口が柔らかくなっているのを確認。
ここでようやく本陣通の判定がおりる。(自己申告で21時に開始ということに)
22:30ごろ
「ご主人呼びましょう」と言われ仕事中の夫に電話し15分ほどで来てもらう。
この後はもう時間感覚がない。
痛みをこらえて息を吐く時に声が抑えられなくなり、だんだん叫びに近い大声が出るように。お尻が中から思いっきり押されて腰が爆発するような感じ。
横になってみたり、踵でお尻を押さえてみたりしていたけど、最終的にはひとりではどうにも堪えられず四つん這いで夫にお尻を押してもらう。
水を飲んでも吐いてしまうので、点滴で水分補給してもらう。
陣痛と陣痛の間もお腹がきゅーっと痛くて、それでも睡魔なのか疲労なのか意識を失い、また痛みの波が来たら耐える(というよりどうしようもできずただその時が過ぎるまで堪えるだけ)の繰り返し。
39w6d(誘発5日目)
3:00ごろ
自分の中ではたった1時間のような10時間たったような、もうぐちゃぐちゃ。
ようやく分娩室に移動しましょうとなり、痛みが弱まった隙に自分で点滴を押して小走りで分娩室へ。
分娩台に上がってからも痛みは増すばかりで、動き回ってNSTがズレるのを何度も助産師さんに直していただきその度に「すみません...すみません...」と謝っていた。
「もう最後までがんばれないかも...」と弱音が口をついてしまい、でも本当にこの痛みにこれ以上耐える気力もエネルギーもないと思ったのが正直なところ。
「大丈夫!がんばれますよ!」と声をかけてもらったのもなんとなく覚えている。
3:30ごろ
「いきんで赤ちゃんちょっとずつ下ろしていきましょう」と言われ分娩台の上であぐらを組んで言われるがままにいきみを開始。
声を出さず目を開けて息を止める、苦しくなったら一度全部吐いてから吸ってもう一度いきむ、を陣痛の間に2、3回繰り返す。
「いきみといきみの間に赤ちゃんが少し戻ってしまうので、なるべくいきみは長く回数を少なくしましょう」
「下じゃなくて前に出す感じで」
と言われよくわからないけど前に&長くを意識していたらちょっとずつ頭が出てきたみたいで「とっても上手ですよ!」と煽られもうヤケクソで力を振り絞っていきみつづける。
「あとどれくらいですか?」と聞くと「2時間くらいですかね」と言われ軽く絶望。
4:30ごろ
気づいたらまあまあ時間が経っている。
「そろそろお産の格好になってみましょう」となり、あぐらの姿勢から分娩台に仰向けになって脚を広げる姿勢に。
その状態でいきむとあっという間に頭が出てきたらしく現場がバタバタし始める。
先生が来てエコーしながら助産師さんの声かけのタイミングでいきむ。
麻酔をして会陰切開。麻酔注射の痛みも切開の痛みも感じない。
5:00
「もういきまないで!軽くいきんで!」と言われ、軽くとは???となりながらも、
とりあえず声を出して息をしながらなんとなく軽くしてみる。
急に腰まわりがフワっとなったと思ったらあったかい感覚がどぅるんと股を抜けていき、
無事息子が誕生。
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誘発開始から5日目にようやく出産することができました。
促進剤を使っていたとはいえ一旦止めたあとに自然に陣発したので、息子が自分で出たいタイミングで生まれたのかなと思ったり。マイペースみたいです。
生まれた直後に産声をあげましたが、羊水を飲んで酸素濃度が低くなっていたみたいで、
小児科の先生たちが「がんばれ」と声をかけて処置をしてくれていました。
少し落ち着いたところで一度抱かせてもらい、再度処置に戻したところ酸素濃度が正常値に戻ったらしく「お母さんパワーですね」と声をかけてもらったのが嬉しかったです。
その後は隣の新生児処置室へ連れていかれ、夫もそちらへ同行。
わたしは産後の処置をしてもらっているうちに寝てしまいました。
赤ちゃんと夫が戻ってきてからは3人で写真を撮ってもらったり
胎盤を見せてもらったり、1時間ほどゆっくり過ごしました。
生まれた子はほぼ4,000gのビッグベビーでしたが、先生や助産師さん、ずっと側にいてくれた夫のおかげで母子共に無事にお産を終えることができました。
わたしにとっては壮絶な経験でしたが、先生にとっては「とてもスムーズ」だったらしく、分娩時のデータを研究材料に使うとのことでした。
(スムーズとは...?と思いましたが少しでも役に立つならよかった)
出産にあたって思ったことがたくさんありますがそれはまた別の記事で書きたいと思います。